【大橋秀行】那須川天心、敗戦から5カ月で見事な変貌 接近戦はるかにうまく 右アッパー効果的

エストラダに9回TKO勝ちし、声援に応える那須川(撮影・鈴木みどり)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級挑戦者決定12回戦>◇11日◇東京・両国国技館

WBC世界バンタム級2位の那須川天心(27=帝拳)が強敵レジェンドとの再起戦に勝利し、世界挑戦権をつかんだ。元2階級制覇王者で同級1位のフアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)との同級挑戦者決定戦に臨み、9回TKO勝ちを収めた。

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昨年11月の井上拓真戦と比べると、那須川は接近戦がはるかにうまくなっていた。特に相手の左ジャブをダッキングして突き上げる右アッパーが効果的だった。当たれば倒れるような強いパンチで、エストラダは明らかに嫌がっていた。拓真戦ではあまり見せなかった力強さだった。

左ボディーブローも強く、タイミングも抜群だった。6回にエストラダがリングに倒れ込んだ時にレフェリーはバッティングと判定したが、那須川の強烈な左ボディーブローがカウンターで当たっていた。あれはダウンだと思う。カウントアウトでもおかしくはなかった。

拓真戦ではクリンチで逃げるなど接近戦を嫌がっている感じがしたが、今回はあのエストラダに自分から打ち合いを挑むなど、自信を持っていた。相当練習も積んだのだろう。敗戦からわずか5カ月で見事な変貌を遂げたが、彼はもともと持っているものが違うので驚きはない。

全盛期のスピードとパワーに陰りがあるとはいえ、エストラダに完勝したことで那須川は自分にさらに自信を深めたはず。これで5月2日の拓真-井岡戦の勝者と戦うことになる。盛り上がっているボクシング界がさらに熱くなりそうだ。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)