日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会の定例会が25日、東京・両国国技館で開かれ、前日の大相撲秋場所千秋楽で逆転優勝した、横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)を評価する声が上がった。

 3横綱が休場する異常事態の中、始まった場所で日馬富士は序盤、3連敗を喫し金星を4個も配給した。優勝ラインも21年ぶり3度目の11勝4敗まで下がった。この数字には「必ずしも褒められたものではない」と前置きした上で、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「4人目の横綱も危ないなと思ったし、気力が(最後まで)ちゃんと持つか心配だったが、見事に気力を持続して、落ち着くところに落ち着いて良かったと思う。敬意を表さなければならない」と評価した。宮田亮平委員(文化庁長官)も「他の横綱が不在の中、横綱の強さを見せてくれた」と最高位として面目を保った日馬富士を褒めた。

 休場した3横綱について北村委員長は「早くケガを克服して来場所以降、復帰してもらいたい」と希望した。ただし「横綱だから出る責任がある、というだけでは困る」とし「横綱らしい結果を出せると思って出てほしい」と、出場を判断する際は、万全の状態で復帰することを望んだ。

 また千秋楽で日馬富士に本割、優勝決定戦で敗れ11勝4敗で優勝次点の大関豪栄道(31=境川)については「精神的な問題なのか、ちょっとふがいない」と個人的な感想を述べた。11月の九州場所が綱取りになるかの認識については「それは、どの委員も思っていないと思います。全勝すれば考えるかもしれませんが(優勝)同点といっても11勝。締めくくりの印象が良くないので」と述べた。