優勝争い単独トップの関脇御嶽海(25=出羽海)が、かど番の大関高安(28=田子ノ浦)に行司軍配差し違いで負けて、今場所初黒星を喫した。

 立ち合いは高安のかち上げにひるまなかった。しっかり受け止めて、左を差して頭をつけながら右はず押しで耐えた。右上手を取って出し投げを打つと、高安を土俵際に追い詰めた。瞬間、走って高安を押し出そうとしたが、高安が土俵を割る瞬間にくるりと回り、高安が土俵を割るのとほぼ同時にたまり席に前のめりに突っ込んだ。軍配は御嶽海。しかし物言いがつき協議の末、高安の足が残っており、行司軍配差し違いで今場所初めて土がついた。

 風呂から上がり支度部屋に戻ると、報道陣に背を向けて終始無言で、帰り支度を済ませた。帰り際になると気持ちの整理がついたのか「いいクールダウンでしょう」と一言。相撲内容は良かったが「大関に勝たないと意味ないでしょ」と下を向いた。

 2敗だった平幕の栃煌山と朝乃山がそろって負けたため、優勝争いは変わらず2差つけて単独トップに立っている。優勝への意識を問われるも「全然」と即答だった。