東前頭12枚目碧山(32=春日野)が豪快な白星で2敗を守った。西前頭15枚目明生に、191センチ、197キロの巨体で頭から当たった。太い両腕で相手の上体を起こし、追い打ちの右の突きで押し倒した。立ち合い一気の内容に「良かったですね。(立ち合いの当たりは)相手も低かったけど、僕も低かった。足も出たし、相手の動きも見えていた」。今場所1番の相撲と言わんばかりに喜んだ。

13勝2敗で優勝次点となった昨年名古屋場所後、相次ぐけがに悩まされたが、ようやく一段落。上々のコンディションで今場所に入れた。この日の朝稽古は申し合いで7勝2敗。不調とはいえ大関の栃ノ心と、好調の栃煌山を圧倒する内容だった。

14年九州、15年初場所では関脇を務めた実力者。コンディションさえ万全なら、今場所の前頭12枚目は“おいしい番付”だ。「昨日の夜は部屋でもつ鍋を食べた。外で食べるのもいいけど、部屋でおいしいものを食べるのが、ゆっくりできるし、いいですよね」。残り6日で、トップを走る貴景勝とは1差。悲願の初優勝へ。賜杯レースで、その巨体のように存在がでっかくなってきた。