稀勢の里が「引退させてください」昨晩親方に話す

大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、現役引退を決断した。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が初場所4日目の16日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で発表した。今後は年寄「荒磯」を襲名し、田子ノ浦部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。

田子ノ浦親方は「昨日の夜に話して、本人から『引退させてください』という言葉があった。我慢強い男ですから、引退という言葉を口にしたということはそれなりの覚悟があると思いました。自分としてはまだ、現実として考えられません」と話した。

進退を懸けて初場所に臨んだ稀勢の里は、初日から3連敗。昨年9月の秋場所から3場所にわたって8連敗(不戦敗除く)となり、横綱としては貴乃花を抜いてワースト記録となっていた。

稀勢の里は15歳で鳴戸部屋に入門。本名の「萩原」で初土俵を踏み、17歳で新十両、18歳で新入幕を果たすなど、いずれも貴乃花に次ぐ史上2番目の年少記録を打ち立て、将来を有望視された。新入幕と同時に「稀勢の里」に改名。2006年名古屋場所で小結、09年春場所で関脇に昇進した。11年11月には師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)が急逝するも、直後の九州場所で大関昇進を決めた。

16年初場所には初優勝を果たし、72代横綱に昇進。同年3月の春場所で横綱として優勝を果たしたが、13日目に左の上腕筋と大胸筋を損傷。この大けがが力士生命を大幅に縮める要因となってしまった。

◆稀勢の里寛(きせのさと・ゆたか)本名・萩原寛。1986年(昭61)7月3日、茨城県牛久市出身。15歳で鳴戸部屋に入門。得意は突き、押し、左四つ。三賞は殊勲5回、敢闘3回、技能1回。金星3個。通算800勝496敗97休。家族は両親と姉。187センチ、175キロ。