大相撲の春巡業は20日、千葉・柏市で行われ、地元出身で東十両13枚目の隆の勝(24=千賀ノ浦)が人気を博した。

稽古土俵に上がり「千葉県柏市出身 隆の勝」とアナウンスされると、この日一番の拍手を浴びた。ぶつかり稽古では大関高安に、たっぷりかわいがられ稽古をつけてもらった。稽古後は、地元テレビ局や新聞社の取材が特別に設けられ、5人の兄弟はじめ家族全員が応援に駆けつけるなど、地元で晴れ姿を披露した。「今日は、たくさんパワーをもらった。それを令和元年最初の場所で出したい。飛躍の年に三役を目指して頑張りたい」と笑顔で話した。

会場近くにある相撲道場は、わんぱく相撲などで汗を流した「懐かしいし初心に戻れる場所」。中学3年まで、この道場で腕を磨き全国都道府県大会では団体3位にも入るなど「柏での稽古が土台になっている。感謝している」と言い、そのころ夢に抱いていた「横綱になる」という目標に向けても「あきらめずに一生懸命、稽古する」と誓った。

昨年秋場所で新入幕を果たし、幕内は2場所務めたが、その後の半年は貴乃花部屋力士の転属、貴景勝の優勝、貴ノ岩の引退、貴景勝の大関昇進と激動の日々。自身はケガもあり、2場所連続の大きな負け越しで番付を十両の13枚目まで落としたが、春場所は11勝4敗と盛り返し、5月の夏場所(12日初日、両国国技館)は再入幕を狙うチャンス。部屋の激動も落ち着いたようで「違和感もなくなり、自分の相撲にだけ集中できるようになった」と再浮上を目指す。