東十両2枚目石浦(29=宮城野)が8勝5敗と勝ち越しを決め、返り入幕に大きく前進した。大翔丸にしっかり当たって、深く左下手を差してまわしを引いた。じりじり圧力を加え、そり投げのような体勢で寄り切った。

「うれしいですね」とかみしめるような笑みを浮かべた。横綱白鵬の土俵入りで、炎鵬と2人で露払い、太刀持ちに-。白鵬が部屋の力士で、と望んだ夢に、弟弟子の炎鵬とのった。2人とも幕内だった先場所は、白鵬が右上腕部負傷で全休でお預けになった。自身が5勝10敗で十両に陥落し、今場所は炎鵬が露払いを務める。勝ち越して、来場所こその思いは場所前から「ありました」と言う。「そうなれば、最高ですね」-。

先場所自己最重量だった体重122キロを113キロまで落とした。「重くなれば、もっと押せると思っていたのに、逆に全く押せなくなった。無駄な荷物を背負ったような感覚で、おなかも出て、動きも制限された」。軽量級がさらに軽量化する“英断”が今場所の好調さにつながる、

「まだ2番あるので、もっと欲を出していきたい」。夢をさらに確実にするためにも、9、10勝目を狙っていく。