西前頭9枚目豊山(26=時津風)がご当地力士の琴奨菊を突き落としで破り、2連勝発進を決めた。

両腕を抱え込まれ、土俵際まで押し込まれたが、左を深く差し込んで押し返した。

「左を使うイメージは(稽古で)やってきてるんで。でも、勝ったから良かったけど」

ホッとしたのには理由がある。仕切り前、会場は琴奨菊への大歓声一色で完全アウェー状態だった。「会場にのまれて“やってやろう”と肩に力が入っちゃった。感情的になりすぎるのはダメですね。自分がああなって(声援を受けて)も肩に力が入る」と苦笑いした。

膝のテーピング、サポーターを、今場所前の稽古から外した。巡業まで使用していたが「もう痛みもないし、予防のためでしたけど、もう予防だ何だと言ってる場合じゃないし。思い切って外しました」。

同学年でライバルの朝乃山との差を埋める戦いが続く。「今までは上体でこらえる感じでしたが、今は下(下半身)で、というイメージ」。4度目の返り入幕から2場所目。結婚もした。大器は目覚めつつある。