大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)で大関とりに挑む関脇朝乃山(25=高砂)が15日、地元・富山市で、凱旋(がいせん)トークショーを行った。

初場所で2桁勝利を挙げた地元のヒーロー見たさに、会場には大勢のファンがびっしり。「お忙しい中、大したトークショーではないですけど、足を運んでくださってありがとうございます」と自虐的なあいさつで笑いを誘うなど、つかみはバッチリだった。

話題は初場所が中心に。まずは全体を振り返り「目標だった2桁勝利を達成することができてよかったです」と話すと、会場から拍手が湧き起こった。初場所中には、母校・近大相撲部の伊東勝人監督が急逝。「場所中だったから引きずるわけにはいかなかった」と当時の心境を語ると、さらに大きな拍手が湧き起こった。

富山県民にとって関心が高かったのが、隣県の石川出身で人気小兵力士、炎鵬との一番。司会者から相撲内容を振られると「負けました。一発勝負だから何をしてくるか分からなかった」とやりにくさがあったという。しかし「来場所は勝ちます」と堂々宣言。加えて「負けたら、もうここでトークショーはしません」と言って、また笑いを誘った。

前日14日はバレンタインデー。もらったチョコの数を聞かれると「付け人から電話があって、段ボール2個分が届いたそうです。人生で初めてです」と大量のチョコに仰天。来年のバレンタインデーに向けては「プロテインが欲しいですね。『MUSASHI』っていうやつ。少し高いんですけどね」と会場の女性ファンにおねだりした。

小結だった昨年九州場所は11勝で、関脇だった初場所は10勝だったため、ここまで合計21勝。春場所で12勝を挙げれば、大関昇進の目安「三役で3場所33勝」に到達する。「もちろん簡単に取れる場所ではない。プレッシャーもあると思うが、地元の声援を力に変えて、自分の相撲を取りきりたい」と力強く話した。