大相撲初場所で奈良県出身力士として98年ぶりに幕内優勝を飾った平幕の徳勝龍(33=木瀬)が23日、奈良市内で凱旋(がいせん)Vパレードを行い、約1万人が詰めかけた。「え~、お忙しい中、こんなにいっぱいの方が来てくださって、とてもうれしいです。おかげさんで優勝できました。次の大阪場所も自分らしく頑張ります」とあいさつ。JR奈良駅前から三条通ショッピングモールの約500メートル、オープンカーに乗って沿道からの歓声に笑顔でこたえた。

この日午前中には、東大阪市の母校・近大で相撲部の合同稽古に参加。関脇朝乃山、平幕の宝富士、志摩ノ海、十両朝玉勢らとともに学生力士を相手に汗を流した。初場所中の1月18日に同大監督の伊東勝人氏が他界。「監督がいなくて、やっぱり寂しいですが、近大は4年間稽古した原点。気が引き締まりました」という。

パレード後には奈良市内のホテルで優勝祝賀・激励会が開かれ、ボクシングの12年ロンドンオリンピック(五輪)金メダリスト村田諒太以来2人目の奈良市民栄誉賞、奈良県スポーツ特別功労賞、奈良県議会スポーツ特別功労賞を授与された。イベント、受賞ラッシュはこの日で一区切り。今後は春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)へ、調整を本格化させる。