新型コロナウイルス感染拡大の影響は、大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子にも広がっている。新弟子検査が29日、大阪市内で行われ、45人が体格基準(167センチ、67キロ)を満たした。内蔵検査の結果を待って、春場所初日に合格者が発表される。

中学、高校、大学の卒業時期である春場所は例年、最も受験者数が多い。報道陣もなるべく多くの新弟子を取材するために、複数人態勢で取材する会社が多いが、今回は新型コロナウイルス感染拡大への対策として、取材は各社1人に限られた。当然、マスクは必着。検査に立ち合う親方衆も全員がマスク姿だった。

学校の行事が中止になった新弟子もいる。昨年11月の全国学生選手権個人8強で、三段目100枚目格付け出しでデビューする予定の東洋大4年、深井拓斗(22=高砂)は「卒業式はなくなりました。千秋楽の一夜明けに(東京に)戻るつもりだったんですが…」と残念がった。

春場所は開催の是非が検討されており、3月1日の臨時理事会で最終判断が下される。中止になれば、新弟子の初土俵も延期になる。元横綱大鵬の孫で、中大4年の納谷幸林(たかもり、22=大嶽)は「やるならやるで、自分の相撲を取るだけ。あまり意識はしていない」と、平常心を強調した。