大相撲の関脇御嶽海(27=出羽海)が8日、報道陣の電話取材に応じ、現在の稽古状況への複雑な思いを語った。無観客開催を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて、部屋の幕下以下の若い衆相手に申し合い稽古を重ねる日々だが「幕下では調子が良いのか悪いのか分からないのはありますね。まぁ、体は鈍いですね」と手応えをつかめていない。さらに「モチベーション上がらないですよね。保つので精いっぱい」とエンジンもなかなか温まらない様子だった。

本来なら場所前は、都内の部屋近くの春日野部屋の関取衆相手に相撲を取るが、いまだ出稽古は禁止の状況で、今後も解禁の見込みはない。「それはちょっと想定外でしたね。出稽古は出来るかなと思っていたので。関取衆と肌を合わせられないというのは不安ですよね」とコメント。「親方もできないかもしれないと言っていた。申し合いの回数も来週から、『今は20番ちょっと取ってるけど、30番ぐらいに増やせよ』みたいに」と関取衆相手に稽古ができない分は、量で補うつもりだ。

そんな中、土俵外でさまざまなことに挑戦している。まずは縄跳び。「1分間ずっと跳ぶ。それを何セットか。休まずに跳べる。100回以上は跳んでいる。縄跳びが一番しんどいかな」と普段使わない筋肉を刺激しているという。また部屋屋上では野菜を栽培。「トマト、キュウリ、ナス、オクラ。トマトはいい感じです」と自粛期間中のいい気分転換になっている。

それでも先の見えない不安に襲われることもある。「2週間切ったけど、もう相撲取るの? って。あれだけ取りたいなと思ったんですけど、実際近づくと」と今まで感じたことなかった感情が芽生える時があるという。しかし、弱音を吐いてばかりではいられない。「付け人と(相撲を)取るしかないので、しっかり確かめながら。後は体重の維持。ここを気をつければ大丈夫かなと思います」と自分に言い聞かせるように気合を入れた。