元幕内の西幕下5枚目宇良(28=木瀬)が、貴健斗(千賀ノ浦)を押し出し、3連勝を飾った。

「駆け引きを感じた」という立ち合い、低く潜り込み足取りから一気の攻め。「うまくいってよかった。狙ったわけじゃなくその場、その場でうまくかみ合ったと思う」。結果的に会心の相撲となった。

両膝の大けがで序二段まで番付を落とし、昨年九州場所で復帰を果たしてから5場所目。勝ち越しを重ねて順調に番付を戻してきた。一気に十両復帰も狙える地位での3連勝を「自分としては奇跡的なことと思う」。今もリハビリ中という膝の不安は消えず、「ここまできたらあと1番勝ちたい。(関取復帰は)考えられる枚数ではない。むしろここから2、3年かかるかもしれない。あまり自信ない」と控えめに話す。

同年代の関脇御嶽海らは幕内上位で活躍。宇良は「気にしていない」と話し、「最近読んだ本に『人と比べると不幸になる』とあった。同年代や同級生が上がってきたとか、関係ないと思っている」。自分のことだけを信じ、じっくりと復活ロードを歩む。