2敗で優勝争いのトップを並走する3人を、協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)は三者三様に評価した。

2敗同士の対戦で若隆景(25=荒汐)を退けた新入幕の翔猿(28=追手風)については「度胸がある感じがする」と怖いもの知らずの勢いを精神面から察した。小兵ながら腰が崩れない動きについては「下半身がドッシリと安定している気がする」と話し、今後の対戦相手の心理を「明日(13日目の対戦相手の)隆の勝はそうでもないだろうけど、優勝に絡む力士はやりづらいだろうな」と読み解いた。

残る3日の星次第では、大関の声がかかる可能性のある関脇正代(28=時津風)については「冷静に取れているのはいいことだ」とし2場所連続の2ケタ勝利には「立派ですね。序盤から勝ち方がいい」と相撲内容も認めた。昨年九州場所から5場所中、優勝次点2回を含む4場所で2ケタ勝利。関脇も3場所連続で、すっかり「実力者」として定評を高める正代を評価した。

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)は、対戦相手・遠藤(29=追手風)の休場で不戦勝。「追い風になるか」という問い掛けに「精神的に1日、勝負のことを考えないで済む。精神的な疲れはあるだろうから」と話しつつ「でも、大関だからね」。優勝争いで先頭を走る3人だが「明日(13日目)が大事になってくる」と1つのヤマ場と読み、3敗の3人の逆転優勝の可能性については「計算上はあるけど、どうだろう。割(取組)の組み方次第でしょう」と見通した。