コロナ禍で開催された初場所を完走した。日本相撲協会は、本場所直前に約900人の協会員を対象にPCR検査を実施。感染や感染者との濃厚接触の可能性があるなどとし、力士65人を含む計83人の協会員の全休を決定した。協会は出場する力士ら協会員に感染者が出た場合、開催途中での中止も視野に入れるなどして有観客で開催。出場する協会員からの感染者を出すことなく15日間を終えた。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「お客さんに協力してもらったからこそ、15日間無事にやってこれた。力士も行司も呼出も床山も、親方衆も、その家族も頑張ってくれた。医療従事者にも感謝」と感謝の言葉を並べた。協会は各部屋に、定期的に感染対策を通達するなどしてきた。同理事長は「大相撲だけが苦しいわけではなく世の中がそう。ルールに従って皆でやっていかないと」とあらためて引き締めた。

協会は3月の春場所の大阪開催に向けて準備を進めている。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「感染者ゼロに向けて努力していきましょう、という通達をきょう各部屋に出します」と説明。息つく暇もなく、次の本場所開催を見据えた。