大相撲春場所(14日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表され、17年秋場所以来の大関復帰に挑む照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は2場所連続で関脇に就いた。昨年11月場所に小結で13勝、先場所は関脇で11勝を挙げ、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」まで残り9勝。大関陥落の翌場所に10勝を挙げられず、後に大関に返り咲いたのは77年初場所後に昇進した魁傑だけ。44年ぶり2度目の快挙に挑戦する。

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照ノ富士が満を持して“再”大関とりの場所に臨む。都内の部屋でオンラインでの会見に出席。「やっと近づいてきた。本当にこの日が来たらなと思っていた」。5場所連続休場から序二段で復帰したのが19年春場所。丸2年で返り咲きを懸ける位置に戻ったことについて「予定通りです」と強気に語った。

異例の挑戦になる。「大関陥落の翌場所に10勝以上した場合は復帰できる」と改正された69年名古屋場所以降、1場所での復帰は6人7例あるが、平幕以下に陥落して復帰したのは77年初場所後の魁傑ただ1人。十両以下に落ちて大関に復帰すれば史上初だ。

場所前には私生活でも節目を迎え、結果へのこだわりも強まった。2月11日に3年前に結婚していた同じモンゴル出身のツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式。「(コロナ禍で)挙げたことはありがたいと思って次に進もうと思う」と、周囲への感謝と決意を示した。勝負の場所まで残り2週間。「とりあえず33勝を達成しないと始まらない」と、あえて数字を口に出す。「それを目標にして全力を出していい相撲を取りたい」。重圧と闘う15日間に向けて、気持ちを高めた。【佐藤礼征】