難敵は土俵の相手ではなく、あの目に見えないもの…!? 大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で在位3場所目を迎える大関正代(29=時津風)が2日、報道陣の電話取材に対応した。

この日の稽古は、平幕の豊山(27)と10番ほど相撲を取るなどで汗を流した。暦の関係で1月の初場所から間隔が長くとれたこともあり、ここまでの調整ペースは「番付発表も少し遅かったから時間も十分、取れた」と順調な様子。「あとは場所に向けてスタミナと体力をつけないと」と話すように、豊山との稽古も「15~20番取れたらいい」と負荷をかけるつもりだ。

新大関で、途中休場する原因となった負傷した左足首は「変な感覚は残っている」ものの、痛みもなく通院もしていない。そんな正代の、目下の悩みは花粉症だ。角界入りし2、3年ほど前から、かかるようになったという。現在「僕の中ではピークは過ぎた」というが、それでも「もともと鼻炎もちだけど、目がショボショボしてきつい。目をどうしても、こすりすぎてしまう。市販の目薬でだいぶ落ち着いてきたけど、まだゴロゴロする」と症状を説明。コロナ禍で換気は必要だが「窓も怖くて開けられない」と悩みは尽きない。花粉症になるまでは「何がつらいのか分からなかった」が「今は本当に、つらいです」。注射を打てば楽になると聞き病院に行こうとも思ったが「注射が苦手なんで断念しました」。現在は部屋の個室で空気清浄器を、花粉洗浄モードにして「ガンガン回してます」とフル回転させている。

ノラリクラリの正代らしく、対峙(たいじ)する花粉症もそれなりに対応して克服するのだろう。春場所では関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が大関復帰をかける。その壁となるべく…の問い掛けにも「う~ん、そうですね。一応、同い年なので負けたくない気持ちはありますけど、自分のことで精いっぱいなので、勝てたらいいな、ぐらいで」と、ここでもノラリクラリ。正代らしく自然体で、春場所を乗り切る。