鶴竜立ち会い2度不成立に冷静さ欠き初黒星喫す

鶴竜との立ち合いが合わず、突っかける勢(撮影・岡本肇)

<大相撲夏場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館

 横綱鶴竜(30=井筒)は立ち合いが2度不成立となり、冷静さを欠いて新関脇勢(29=伊勢ノ海)に敗れ、初黒星。支度部屋では珍しく感情をあらわにした。

 温厚な鶴竜が怒りを抑えられなかった。先に手をついた勢に、両手をチョンとついて立った。互いの呼吸は合っていた。だが、立行司の式守伊之助に、手つきが不十分だと止められた。「そんなにズレていましたか? 納得できない」。

 憤りが抑えられず、2度目は自らが待った。最後の3度目は、仕方なく先に手をついた。左前まわしを引いて十分になりながら、どこか強引に寄って出たことで逆転の小手投げを食った。心が乱れて喫した初黒星。「ムキになって冷静に相撲が取れなかった自分がいけない。いつもの冷静さがなかったから、ああいう感じになった」と悔しがった。

 前日の取組後に二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)から手つきの注意を受けていた。今まで指摘を受けたことは1度もなく「オレは立ち合いで駆け引きしないし、ちょっと分からない」。審判部が厳しく進める立ち合いの正常化。その余波に、横綱がのみ込まれた。