<大相撲名古屋場所>◇4日目◇13日◇愛知県体育館
西十両8枚目の宇良(24=木瀬)が、新十両の大輝(23)を下して無傷の4連勝を飾った。大学時代は“格上”だった同学年の好敵手に、鮮やかな引き落としを決めた。史上1位に並ぶ所要9場所での新入幕へ、目安は12勝。最速出世へ、注目の業師が勢いに乗ってきた。
鮮やかだった。宇良が、一瞬の技で場内を沸かせた。右に左に動き回った体を止め、頭をつけ合う得意のレスリングスタイルに持ち込んだ直後だった。相手の両肩付近に乗せた両腕を、下へ押さえつけ、足を引く。すると、眼下にバッタリ手をつく大輝の姿があった。
喜びのあまり右手を握り締めたようにも見えたが、宇良は「手首が痛かった」と否定。「タイミングが合ったから決まった。良かった」と淡々と振り返った。
4年前、西日本学生体重別65キロ級1回戦で無名の京大生に敗れて途方に暮れた大学2年時、学生横綱に輝いたのが同学年の大輝だった。初土俵も同じ昨年春場所。「負けたくないのはみんな一緒。別に大輝くんだからという思いはない」。それでも、角界入り後は4勝1敗で「すごいっす。想像できないっす」。かつての格上と立場が逆転したことを示す数字に、驚いた。
相撲同様、宇良は性格も個性的だ。6月22日の誕生日に一番うれしかったプレゼントを聞かれ「キャサリンです」と真顔で答えた。キャサリンとは、夜の飲み屋で肘掛けに使うクッションのこと。「自分の部屋用です。枕にもできるし」。24歳になった場所で無傷4連勝を遂げた裏には、部屋でリラックスできるキャサリンの存在もあった。
十両2場所目も勝ち越しを目標に掲げるが、途中で10勝に切り替えた先場所に続く“上方修正”も見えてきた。12勝すれば、史上1位に並ぶ所要9場所での新入幕も視界に入る。華麗な技に、最速出世。173センチの小さな体にかかる期待は大きい。【木村有三】