世界も綱とりの大関稀勢の里(30=田子ノ浦)に期待している。大相撲秋場所は今日11日に東京・両国国技館で初日を迎える。英国の大手ブックメーカー「マラソンベット」の場所前の優勝予想では横綱白鵬の休場もあって、稀勢の里が初めて1番人気に躍り出た。10日に前日恒例の土俵祭りに出席した大関は3場所連続の綱とりに向けて、仕上がりの良さを強調した。
3場所連続で綱とりに挑む重圧は、余人には計り知れない。だが、初日を前に気負いはなかった。朝、国技館での土俵祭りを前に、稀勢の里は部屋の土俵に降り立った。汗を流し、その後に若い衆とごみ箱へ、丸めたテーピングの投げ入れを競った。無邪気な笑みが広がる。「そういう(夢をかなえる)気持ちで調整してきましたからね。いい状態で仕上がってきました」と表情には自信が宿った。
初優勝=綱とりに挑む大関には、世界も注目している。毎場所、優勝予想オッズを出す英ブックメーカー「マラソンベット」では当初、白鵬が2・05倍の1番人気で、稀勢の里は2・6倍だった。だが、白鵬の休場によって初日前日時点で2・2倍と初めて1番人気となり、2番手の日馬富士の2・5倍をリードした。抜かれた日馬富士は「そうであってほしいよ」と冗談半分に笑ったが、春場所から13勝、13勝、12勝と高い安定感を誇る大関への期待は、世界からも高い。
序盤が鍵とする八角理事長(元横綱北勝海)は、先場所も敗れている2日目の栃煌山戦へ「逆に対戦成績が良くない相手に勝つと乗れる。勝てば『よし、行くぞ』となる」との考え方を助言。「緊張感は大変だと思うが、ずっとこういう感じて来ているからね。勝つ相撲は堂々とした相撲が多い」と期待を寄せた。
5度目の綱とりは、どんな結末を迎えるのか。「特別なことはない。しっかりやるだけ」。短い言葉に決意を込めた。【今村健人】