<大相撲初場所>◇2日目◇9日◇東京・両国国技館
勢いに乗る新関脇を、大関稀勢の里は左手1本で退けた。普段の右足とは違って左足から踏み込むと、左からの強烈なおっつけで横向きにさせた。「あれで決めようとは思っていなかった」と本人も驚くほど、はまった。馬力自慢の玉鷲に力で対抗し、一蹴した。
朝稽古後に10年前の成人の日を思い出していた。早くも小結だった当時、先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)から贈られたのは「実印」だった。「『しっかり見てから押せ』と、押し方を教えてもらった」。
それは立ち合いの踏み込みにも通じていた。「つま先立ちだと、ハンコでは半分しか押していない。それではダメ」。印鑑の押し方を通じて学んだ踏み込み。先場所で横綱を3連破したここぞで見せる必殺「左足の立ち合い」は、土俵にくっきりと印をつけていた。
大関魁皇に敗れた自らの成人の日から10年。「今日は今日。明日は明日」。まずは連勝で発進した。