稀勢の父「あまりにもシンプル、彼らしい口上」

横綱昇進の伝達式の後、タイを持ち上げる稀勢の里(前列中央)、左はおかみさんの琴美さん、右は田子ノ浦親方、後列右から3人目が父萩原貞彦さん、母裕美子さん(撮影・柴田隆二)

 横綱昇進が正式に決まった稀勢の里(30=田子ノ浦)の両親も、晴れ姿を見守った。

 父萩原貞彦さんは口上に「あまりにもシンプルだった。でも彼らしい」と柔和な表情だった。

 どんな横綱になってほしいかと聞かれ「強い前に人格者になってもらいたい。好きな相撲をとるだけじゃないから、協会を代表して、ひいては日本国民を代表してやらないといけないから」と期待した。

 母裕美子さんは、記者会見で横綱が両親への思いを語ると涙した。「家ではあまりそういうことを言わない子なので、公の場で言っていただけるのは親冥利(みょうり)に尽きます」と話した。