三段目で珍事 まわしの前垂れ土俵につき負け通告

西山(左)のまわしがゆるみ土俵に接地したため翠富士に軍配が上がる。左は式守友和(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 三段目で珍事が起きた。

 西三段目17枚目の西山(22=尾上)のまわしの前垂れが、同19枚目の翠富士(20=伊勢ケ浜)との取組中に土俵についた。すると、審判団は西山に対し「負け」を通告。翠富士の勝利が決まった。だが、規定では前垂れが土俵についても負けにはならない。その後、二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)と春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「審判の認識不足で申し訳ない。審判部として勉強し直して対応に当たってもらう。負けた西山には申し訳ない」と陳謝。取組時に担当していた審判団にも厳重注意したことを明かした。

 幸運な5勝目を挙げた形になった翠富士は、勝った直後は「(相手が)重かった。これで幕下に上がれると思うので頑張りたい」と喜んだものの、不思議な勝利に「えっ、なんで? と思った」と驚きを隠せなかった。