稀勢の里初白星 土俵下で照とぶつかるも「大丈夫」

稀勢の里(右奥)は土俵から落ちてきた照ノ富士をケガをしている左手で受け止め、苦悶の表情で仰向けとなる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇2日目◇15日◇東京・両国国技館

 伝家の宝刀を抜いた。左からのおっつけ。相手を横向きにするだけの威力はない。それでも、横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の形が戻ってきた。

 隠岐の海に右差しを許さず、すぐに巻き替えて左四つに。腰を下ろして寄り切った。連敗せず、初白星。「いいんじゃないですか。(左は)問題ないです」と振り返った。

 初日黒星から迎えた2日目。土俵下の控えに座っていた出番前に、押し出された照ノ富士が落ちてきた。テーピングを施す左腕や左足にぶつかったが「まあ、いいんじゃないの、気が紛れて。大丈夫ですよ」と笑い飛ばす余裕があった。平然と自身の取組に集中し、連敗をしなかった。

 横綱として、両国国技館での初白星。「今日は今日で、明日は明日。また明日、切り替えて。しっかりやるだけ」と、いつも通りの言葉が戻った。