<大相撲夏場所>◇初日◇13日◇両国国技館
関脇経験者で東幕下14枚目に再び番付を上げた豊ノ島(34=時津風)が、今場所の1番相撲に登場。西幕下13枚目の若隆元(26=荒汐)を、得意のもろ差しから一気の寄りで破り、白星発進した。
常々、その場所最初の1番相撲は「緊張する」と百戦錬磨のベテランでも、動きに精彩を欠くことがある。幕下に陥落して10場所目だが、過去9場所の1番相撲は4勝5敗(1番相撲を休場し、途中出場した1場所を含む)。今場所も前日から緊張感が襲い「明日から初日だと思って緊張して、時間がたつにつれ増していった。土俵に上がった時がマックス」と振り返り「何で人間って、緊張する生き物なんだろう」と自問自答さえした。
そんな不安を、みじんも感じさせない会心の一番。6勝1敗だった先場所でつかんだ「自分本来の相撲ではないが、前に出る相撲を心がけよう」と言い聞かせて臨んだ。場所前の稽古で大関高安(田子ノ浦)と互角に稽古できたことも自信にした。
7戦全勝なら再十両に復帰できる幕下15枚目以内に番付を上げて臨む今場所。1敗でもした時点で、その目標はお預けになる。それを意識すると、また緊張に襲われそうだが、それは隠さない。
「初日、勝ったので、まだワンチャンスはある。いつまでも(幕下に)いたくないし、ものにできるようにしたい。ワンチャンスはありますから」
2年近く過ごした幕下生活に別れを告げるべく、残り6番に全力を注ぐ。