千代の海、念願関取の座が有力に「スタートライン」

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館

 西幕下筆頭の千代の海(25=九重)が、念願の関取切符に手をかけた。東幕下5枚目の一山本(二所ノ関)を、上手投げで破り4勝目(1敗)を挙げ勝ち越し決定。現状で、十両昇進の1番手となり関取の座を有力にした。

 高知・宿毛高から日体大を経て15年夏場所で初土俵を踏んだ。初土俵は違うが、学生時代に同学年だった御嶽海、北勝富士らが幕内で活躍。「同級生に、すごい差をつけられている。(昇進をしても)ある意味、スタートライン」と話した。

 序ノ口、序二段と1場所目で全勝優勝。三段目も2場所目で全勝優勝と順調に出世し、16年春場所には初の幕下まで上がった。だが、同年初場所後に痛めていた右肘を手術。治療とリハビリに専念するため3場所連続で全休。三段目下位まで番付を落としたが、再びはい上がって、今場所は自己最高位の西幕下筆頭で迎えていた。

 右肘の手術は、先代九重親方(元横綱千代の富士)に勧められてのものだったという。「あの時、無理をしていたらどうなったか。休んだから今、相撲が取れると思う」と、今はなき先代師匠に感謝した。新十両昇進は「もし上がっても、すぐに落ちないようにしたい。部屋に幕内の関取衆が多いので少しでも近づければ」と目標を語った。十両からの陥落力士との兼ね合いもあり「(新十両は)確定ではないので、あと2番しっかり取りたい」と気を緩めずに臨む。