豊ノ島「足が運べなかった」立ち合いで迷い2勝2敗

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ

 関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、2勝1敗で迎えた今場所の4番相撲に登場。日体大出身で、一回り年下の東幕下10枚目・友風(23=尾車)に、はたき込みで敗れ星は再び2勝2敗の五分に戻った。

 立ち合いで迷いがあった。最初は呼吸が合わず、友風が突っかける形で不成立。仕切り直して右から張って立ったが、いつもの出足の鋭さがなく、左を何とかこじ入れようとして出た瞬間、その左から突くようにはたき込まれ、土俵にはった。

 立ち合いから「考えすぎた」といい、その表れとして「前に出る気持ちはあるけど、張り差しに行っている分、受けに回ってしまった。張ったのは余計だった」と敗因を分析した。最後に勝負を決められたところは「うまく足が運べなかった」と分析。その際に、右足の親指が返ってしまったというが「栃ノ心みたいな大ごと(なケガ)じゃないから」と大事には至らなかったようだ。

 2番相撲で初黒星を喫した時点で、今場所後の十両復帰は絶望的となった。あとは少しでも番付を上げ、来場所後の再十両の可能性を高めるためにも、最低でも勝ち越し、さらに白星を重ねたいところ。「もちろん5番を」と残る3番を連勝しての5勝を目標に据えた。

 発奮材料はある。やはり幕内上位経験者で幕下に陥落している西14枚目の豊響(33=境川)が、この日勝って4戦全勝。残り3連勝なら、十両復帰となり先を越されてしまう。「豊響が元気だからね、置いていかれないように僕も頑張らないと。年も1つしか(1学年)違わないから」と刺激にするようだ。