光内が全勝対決制し序ノ口V ケガ治し巻き返し誓う

序の口優勝の光内(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館

勝者が優勝という全勝対決となった序ノ口は、西31枚目の光内(22=阿武松)が、西17枚目の暁(29=高田川)を寄り切りで破り、個人としては「(中学まで高知で過ごした)中学3年の時の四国大会以来」という優勝を決めた。

そんな一番も「四つに組んでしまったので良い相撲ではなかった。今場所も前に出てはいたけど、何番か四つ相撲があったので」と反省交じりに振り返った。

苦い思いがある。中学時代に稽古で左肩を脱臼し手術。強豪・埼玉栄高を卒業して角界入りし、15年名古屋場所で初土俵を踏んだが、四つに組む悪い癖を師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)に何度も注意されていた。そして迎えた、ちょうど1年前の秋場所前の稽古。やはり前日に師匠から注意されたにもかかわらず、稽古で投げられた際、差した右を脱臼してしまった。翌10月に手術。4場所連続と3場所連続の全休で三段目まで上がった番付は急降下し、ついには番付外に。ようやく今年7月の名古屋場所前から本格的な相撲を取る稽古が再開でき、前相撲に。再び番付にしこ名が載った復帰の今場所、優勝というこれ以上ない成績で再スタートを切った。

高校時代は、今場所は小結の貴景勝(22=貴乃花)と同期で、チームではキャプテンも務めた。部屋では兄弟子になる平幕の阿武咲とも同年。ライバルたちには後れを取ったが「しっかり治して追いつけるように頑張りたい」と、突き押しに磨きをかけながらの巻き返しを誓った。