大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、進退の懸かる初場所(来年1月13日初日、東京・両国国技館)に向けて、泥まみれになって稽古した。27日、都内の部屋で弟弟子の大関高安と、約1カ月半ぶりに三番稽古を行い、13勝3敗と大きく勝ち越した。
その後のぶつかり稽古では、高安に何度も転がされて息も絶え絶えとなった。稽古後は「気持ちよかったですよ。(ぶつかり稽古は)高安が『どうですか』と言ってきたので『ごっちゃんです』という流れでね」と笑顔で振り返った。
稀勢の里は横綱として史上最長の8場所連続休場後、9月の秋場所を10勝5敗とし、1度は進退問題を回避した。だが続く11月の九州場所は、横綱では87年ぶり2人目となる初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、途中休場となった。同場所後に横綱審議委員会(横審)から史上初めて「激励」を決議され、再び進退問題に発展。横審から強く要望された初場所出場については、新番付が発表された25日に会見を開き、その意向を示していた。
九州場所途中休場の要因となった右膝の負傷で、今月の冬巡業を全休している。相撲を取る稽古は、前日26日に部屋の三段目力士と取ったのが約1カ月半ぶり。この日も、高安との三番稽古の前に、三段目力士と6番取っており全勝だった。高安との16番と合わせて、計22番をこなした。右膝については「大丈夫」ときっぱり。この日の稽古では、まわしにこだわらずに押し出す取り口も目立ったが「そういう場面も多くなってくる。まわしを取れないこともあるので」と、本場所を想定した稽古だったことを明かした。
高安は「やはり左四つになると相撲を取らせてもらえないから」と話し、あえて右四つで組み止めて寄り切るなど、同じく本場所を想定していた。ぶつかり稽古で稀勢の里に“かわいがり”を行ったことについては「自分の稽古にもなるし、少しでも横綱の力になりたかった。先輩、後輩はない。相手のため、自分のためと思ってやった。どんな稽古よりも、ぶつかり稽古が一番厳しい。ぶつかりをすれば本場所の調子がいい。圧力負けしないし、まわしを取るのも、突っ張るのも、すべてに生きてくる。前に出る稽古だから」と、兄弟子の復活の手助けになりたい心境をのぞかせた。