幕内豊ノ島、連敗5でストップ 攻撃相撲で寄り切る

豊ノ島(左)は矢後を寄り切る(撮影・渦原淳)

<大相撲春場所>◇10日目◇19日◇エディオンアリーナ大阪

16場所ぶりに幕内へ戻った、西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が5日目からの連敗を「5」で止め、星を3勝7敗とし踏みとどまった。

初顔の同10枚目の矢後(24=尾車)と対戦。連敗中でもブレのなかった「(相手を)持って行ったろうと思った」という、思い切った踏み込みで瞬時に得意の二本差し。迷わず前に進んだ。一気に西土俵まで運んだが、押し込みきれず「一瞬、昨日のことが(頭を)よぎった」という。「9割方、勝っていた」と振り返っていた前日の大翔鵬戦も、土俵際まで詰めながら反撃されての逆転負け。そのシーンが一瞬、フラッシュバックしたというが、突き放された後も、うまく二本が入り、自分より身長で約20センチ高い矢後に上から左腕を抱えられるように小手投げで振られても落ち着いていた。左は結び目をつかむほど深く差し、右は前みつを引き最後は腹のあたりを押しながら、会心の攻撃相撲で寄り切った。

前日の大翔鵬戦では右腕をきめられたまま、小手投げで振られ顔をゆがめた。取組後、ヒジをケガしなかったかという、関係者の心配する電話が何本も入ったという。それで開き直れた。「勝ち負けでなく、ケガせずに相撲を取れるじゃないか」と。さらに負け越しの崖っぷちに立たされたことも「成績がダメで落ちても十両で取れる。アレでケガしたら今場所は終わりだった。大丈夫」とプラス思考に転じられた。

この日も立ち合いで迷わず突っ込むという「選択肢を1つに絞って」臨んだ。得意の? 験担ぎや験直しも「1日1日、過去の星を気にするからやること。1日で切って考えるようにした」と一切、やっていないという。連敗中は頭をよぎった、幕内残留の星勘定もしない。その日のことだけを考えて、残る5番の土俵に臨む。