荒磯親方がスーツ姿で久しぶりの土俵「気持ちいい」

地元茨城県で行われた巡業で、受け取った花束を手に土俵上であいさつする荒磯親方

1月の初場所で引退した、大相撲の元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が14日、地元茨城県の常陸大宮市で行われた巡業に招待され、土俵上であいさつした。

花道から土俵に向かう際には「稀勢の里~」や「背広、似合ってるぞ」などとファンから大声援。花束を受け取ると「17年間、大変お世話になりました。特に茨城の方には、たくさんの応援をいただきまして本当に力になりました。おかげで横綱に昇進することができました。これからは後進の指導にあたりまして、みんなに愛されるような横綱、大関を育てられるように、一生懸命頑張ります」とあいさつし、大きな拍手を浴びていた。

その後はサインや握手を求めるファンに、熱心に対応した。スーツ姿で土俵に立ったが「貴重ですよ。(巡業に)呼んでいただいてありがたいこと」と感謝した。これまで、引退した横綱も巡業では土俵入りを披露することはあった。だが現役時代の抜群の人気から、収拾がつかなくなる可能性もあり、行っていない。「土俵入りできないのは残念。その気持ちはあったけど、やっぱり引退して1場所空いているのもあるし。でも久しぶりに土俵に立って気持ちいい」と話した。9月29日に東京・両国国技館で予定している引退相撲では土俵入りが予定されるが「本当に最後になりますね」と、しみじみと語った。

来月からの新元号「令和」を現役で迎えることはできなかったが「そこはきっぱり(やめて)、さっぱりしてますから。新しい時代、新しい関取。次に託すという気持ち」と、無念の思いは皆無だという。今回の巡業の最終日となる29日には、再び茨城県(水戸市)で開催されるだけに、そこでも来場が計画されている。