照ノ富士3連勝「万全でした?」と報道陣に確認

駒木龍(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇5日目◇16日◇両国国技館

大関経験者で東三段目49枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、土俵復帰2場所目の3番相撲も勝ち、無傷の3連勝とした。

西三段目46枚目の駒木龍(34=木瀬)と対戦。今場所の対戦の中では、体重の重い(約150 キロ )相手だが、胸でぶつかると右をスッと差し、左上手も引きつけて万全の寄り。危なげない相撲でも「万全でした?」と報道陣に確かめつつ「良かった」「まあ良かったっす」と納得の表情を浮かべた。

新大関の貴景勝(22=千賀ノ浦)が右膝の側副靱帯(じんたい)損傷のため、この日から休場。大関時代、両膝に貴景勝以上の重傷を負った照ノ富士は、今も両膝に分厚いテーピングとプロテクターのような装具を施している。「自分はX脚だから、サポーターをすることで(X脚が)まっすぐになって、余計に痛くなるし、動きも悪くなる」と悩みは深い。「ずっと着けたまま相撲を取ることには慣れてきた」というが「筋肉が完璧に付いてきたら外したい」と、その日が来るのを待ち望んでいる。

何よりもの励みは、しこ名を呼び上げられ土俵に上がるときの館内の声援。先場所は序二段、そして今場所は三段目と、取組の進行が遅いほど、観衆も多くなり声援も大きくなる。先場所以上の拍手と激励の声が、こだまする中で「それ(声援)がなかったら相撲を取れないし、相撲を取る意味がない。(ファンに)いいところを見せたいから」と、復活への支えにしたい気持ちを明かした。