川渕がデビュー場所序ノ口V「早く関取になりたい」

序ノ口優勝した川渕(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇13日目◇24日◇両国国技館

千秋楽の同部屋優勝決定戦こそ実現しなかったが、うれしいデビュー場所Vだ! 序ノ口は東24枚目の川渕(18=錣山)が7戦全勝で、番付に初めてしこ名が載ったデビュー場所で優勝を決めた。

6番相撲を終え、ここまで全勝は川渕と、同じ釜の飯を食う伊藤(20=錣山)の「同部屋同期入門」の2人に絞られていた。本割で同部屋の力士は当たらないため、まず川渕が最初に土俵に上がり、東11枚目の渡部(21=尾車)を寄り切りで破り7戦全勝。その14番後に、序二段で全勝の隠岐の浜(21=八角)と対戦した伊藤が、投げの打ち合いの末、小手投げで敗れたため、川渕の優勝が決まった。

中学1年の途中で故郷の大阪を離れ、金沢学院高に近い中学に親元を離れ“相撲留学”。金沢学院高では高校2年の高校総体で団体優勝したものの、全国大会の個人タイトルはなし。それでも「小学生の時から部屋の稽古に行かせてもらって、一番なじみやすかったから」と、迷いなく錣山部屋に入門。今年3月の春場所で初土俵を踏み、今場所が本割デビュー。そこで結果を出した。

身上とする突き押し相撲で、理想の力士は、突っ張りで名をはせた師匠で元関脇寺尾の錣山親方や、身近で手本になる阿炎、彩といった部屋の兄弟子関取衆。「早く関取になりたい。最終的には相撲界の一番上、横綱になりたい」と、表情をキリッと引き締めて強気な一面を見せた。