八村塁原点に貴源治ら同学年双子力士の存在があった

名古屋場所での活躍を誓う新入幕の貴源治(撮影・前岡正明)

<とっておきメモ>

大相撲名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)で、西前頭10枚目に昇進して新入幕を果たした貴源治(22=千賀ノ浦)は、元バスケットボール選手だった。

中学時代に打ち込み、NBAのドラフトでワシントン・ウィザーズから1巡目9位指名された八村塁(21=ゴンザガ大)とは、中学校時代に、双子の兄、十両貴ノ富士とともに対戦経験がある。このエピソードは22日付日刊スポーツと、同日のニッカンコムに掲載された。

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双子のけんかが、八村を成長させた。富山・奥田中2年で初めてU-14日本代表に選ばれ、そこでのちに角界で活躍する貴ノ富士、貴源治の双子と出会った。その後、2人が所属する茨城・境一中と対戦。試合中にけんかをしながらもコートに入れば息が合い、楽しんでプレーする姿を目の当たりにした。坂本コーチは「ほら、相手を見てみろ。けんかしてるけど、コートに入ったら雰囲気良くなるやん」。

一方で八村はミスに嫌な顔をしたり、負けたことを人のせいにしていた。坂本コーチから「お前の言い方は違う。何様だ」と注意され、その後も厳しい指導を受けた。恩師の教えを守り、高校でも仲間のミスを責めず、声を出してチームを鼓舞するようになった。ゴンザガ大でも決して自分のことを自慢しない。チームのことを最優先にプレーする八村の原点には角界で活躍する2人の存在があった。

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24日、新入幕を受け、愛知県内で取材対応した貴源治もこのエピソードについて「八村選手が兄貴(貴ノ富士)に影響を受けたと日刊スポーツで見て、うれしかった」とコメント。

将来を期待される各界の有望株と、日本人初のNBAドラフト1巡目指名の大器は、それぞれの道で、高みを目指す。