朝乃山の強み 引く場面1度もなし/大ちゃん大分析

朝乃山(右)は栃ノ心を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇11日◇ドルフィンズアリーナ

踏み込んで上手を取らないと、いくら右が入っても流れは自分に来ないぞ、横綱や大関は簡単には勝たせてくれないよ-。

今朝、稽古場で朝乃山に言ったんだ。4日目の高安戦はアゴが上がって上体がのけ反っていたから指摘した。その反省を生かし、アドバイスを実践に移した栃ノ心戦だった。頭で低く当たって踏み込んだから前傾姿勢もとれる。相四つということもあるが、立ち合いで朝乃山が流れを呼び込んだ。

これで横綱、大関戦を終えて2勝3敗。健闘していると思うが、本人が言うように総括するのは千秋楽を終えてからだ。大関戦の2勝を自信にするか、台無しにするか。生かすも殺すも残りの10番次第だ。内容的にはよく攻めている。引く場面が1度もないのが朝乃山の強み。うるさく言ってきた常に前に攻める相撲を最後まで貫いてほしい。(日刊スポーツ評論家・高砂浦五郎=元大関朝潮)