北の富士氏 貴景勝復調「まだまだ遠い」厳しい見方

ぶつかり稽古する貴景勝(下)と白鵬(撮影・鈴木正人)

横綱審議委員会による稽古総見を見守った、相撲解説者の北の富士勝昭氏(77=元横綱)が、関脇に陥落した貴景勝(23=千賀ノ浦)の復調ぶりについて「まだまだ遠い」と、厳しい見方を示した。右膝の負傷で5月の夏場所を途中休場、7月の名古屋場所を全休した貴景勝について「体がやっぱり(大関に)上がった時の、はち切れそうな感じではなく、緩んでいる」と分析。秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)まで約1週間の状態としては物足りなさを感じているようで「ちょっとなあ…。もう少し時間がほしいな。今日の稽古を見ると」と、計5番の稽古量にも注文を付けた。

とはいえ、秋場所は10勝以上で大関に返り咲くことができるが、その可能性がまったくないわけではないと感じている様子だ。「本場所だと(貴景勝のような)押し相撲は調子に乗ると良くなる。やっぱり前半戦でしょう」と、スタートダッシュに成功すれば、波に乗る展開も予想する。

最後は「押し相撲は、稽古が足りないと自信もつかないし、何とも言えない」と語って締めた。現状は、本調子に「まだまだ遠い」と見ている状況だが、残る約1週間で、どれだけ稽古を積むことができるか。スタートダッシュに成功するかどうかの明暗を分けるだけに、初日までの過ごし方の重要性を説いていた。