土佐緑、豊浪、大辻 序ノ口は3人で優勝決定戦に

<大相撲九州場所>◇13日目◇22日◇福岡国際センター

序ノ口の優勝争いは、6勝1敗で並んだ3人による千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

この日、ただ1人、6戦全勝で臨んだ西15枚目の土佐緑(23=阿武松)が、西序二段106枚目で幕内経験者の宇良(27=木瀬)に押し出しで敗れた。これで、この日の7番相撲で勝ち6勝1敗となった豊浪(18=立浪)、大辻(16=高田川)と並び、千秋楽の十両取組後に行われる各段の優勝決定戦で今場所の優勝力士が決まることになった。

土佐緑は、埼玉栄高時代は大関貴景勝(千賀ノ浦)と同期生で、主将も務めた。だが、中学時代に左肩、角界入り後は右肩を脱臼し長期休場の憂き目にあった。復帰し序ノ口、序二段と2場所連続各段優勝したが、今年春場所の4番相撲で右膝を負傷。前十字靱帯(じんたい)断裂、内側靱帯(じんたい)部分断裂、半月板損傷という重傷を負い、ほぼ半年、稽古場にも下りられなかった。

そんなこともあり「6番勝っているからいいです。今場所は4番ぐらい取れればいいと思っていましたし、これまでのことを考えたら上出来です」と完敗したこともあり、サバサバした様子。ともえ戦になる優勝決定戦は「ケガなく終えること。ただ先代には勝っていい報告ができれば」と、病気のため退職を余儀なくされた先代阿武松親方(元関脇益荒雄)への恩返しも心に秘めた。