大相撲の関脇朝乃山(26=高砂)が、大関とりの春場所(8日初日、エディオンアリーナ大阪)に向け、本格的な稽古を打ち上げた。
5日、大阪市の部屋で十両朝玉勢、幕下寺沢、村田の同部屋3人、出稽古に来た宮城野部屋の幕下宝香鵬を相手に計10番取って全勝。得意の右四つから一気に寄り切ったり、突き放してから押し出したりと、さまざまな形を試しながら危なげなく勝ちきり、状態の良さをアピールした。
2月末の番付発表直後は動きに課題を感じていたというが「徐々に、出稽古を積み重ねるうちに、自分の前に出る相撲をつかめてきた」と、上り調子と感じている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、無観客で開催されるが「初日が大事。初日に自分の相撲を取れれば、無観客にも慣れていくと思う。みんな初めてなので慣れないと。歓声があると思ってやりたい」と、通常開催の場所と変わらず臨む決意を見せつつ、いち早く無観客という未知の環境に慣れたい率直な思いをのぞかせた。
大関昇進の目安とされる、三役で3場所合計33勝には、今場所12勝が目安となる。「12勝は難易度が高いけど『12勝しなきゃ』という思いではなく、1日1番、自分の相撲を取って、勝っても負けても次の日に切り替えないと前に進めない」と、取りこぼしや、それを引きずっての負けを重ねて10勝だった先場所の反省を生かしたい考え。「結果は後からついてくると思っている」。史上初の無観客開催の場所の主役候補は、静かに闘志を燃やしていた。