浮足だった、何のため/無観客…力士の反応さまざま

徳勝龍(左)を押し出しで破る正代(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇8日◇エディオンアリーナ大阪

前代未聞の場所がいよいよ始まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、史上初の無観客開催となった春場所。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が協会あいさつで相撲の持つ力を世間に訴え、土俵上では力士らが奮闘。協会員の中で1人でも感染者が出た場合は中止となる中、目立ったトラブルはなく初日が幕を閉じた。

<無観客開催についての力士のコメント>

★炎鵬 いつもと違った雰囲気で闘争心が湧かなかった。何のために戦うのか、今日は見つけられなかった。当たり前のように感じていたけど、どれだけお客さんから力をいただいているのか分かった。少しでもこの雰囲気に慣れていかないといけない。自分自身を奮い立たせないといけない。

★松鳳山 相撲を取った印象は変わらない。無観客は気にならなかった。

★徳勝龍 やることは変わらない。集中するだけ。雰囲気に慣れていかないといけない。

★琴奨菊 神社に来たような感じ。神聖なる場所。改めて相撲のすごさを感じる。

★錦木 静かなのイヤですね。他の音もしないんで、盛り上がってくる感じもない。難しいですけど、慣れるしかない。

★照強 (売りの豪快な塩まきも)テレビの向こうで見てくれてるんで塩をまかないと、と思うけどいつものように気持ちが入らない。気持ちでとるタイプなんでけっこう浮足だった。

☆照ノ富士 声援があるから相撲をやってきている。応援してくれる人たちがいるから、ここまで(大関から陥落後、序二段まで番付を落としたが幕内返り咲き目前)やることができた。声援がないとさみしいけど幕内目指して頑張りたい。

☆隆の勝 初めてのことで慣れない。(雰囲気は)稽古場に近い。花道で(気持ちの)スイッチが変わった。

☆勢 逆にすべていいふうに変えようと。お客さんがいないのは寂しいし残念だが、自分のゾーンで集中して入れるようにした。

☆御嶽海 静かさは集中できる。淡々とできるんで。

☆豊山 お客さんの力は借りられないし、自分との闘い。それに勝てば、結果もついてくる。

※☆は初日白星、★は同黒星