角界で初 力士1人コロナ感染 陽性→陰性→陽性

八角理事長

日本相撲協会は10日、新型コロナウイルス感染の疑いがあった幕下以下の力士1人が9日に行ったPCR検査で、陽性反応を示したことを明かした。角界で陽性反応が出たのは初めて。感染拡大防止のため史上初の無観客開催となった3月の春場所中は感染者を出すことはなかったが角界も、ついに新型コロナに襲われた。

芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると当該力士は4日に発熱し、2日間ほどで1度は下がったが、再び高熱を出した。倦怠(けんたい)感や息苦しさ、血痰(けったん)などの症状が見られ、8日に都内の病院で、新型コロナ感染確認の簡易検査を受診。同日夜に病院側から「陽性」と伝えられたが、翌9日に「陰性でした」と病院側から誤りだったと連絡が入り、精密な検査を受け、この日に陽性反応が出た。

当該力士は都内の病院に入院中のため、行動範囲などの聞き取り調査はまだ行えていない。所属部屋の全力士と全協会員の中で、新型コロナ感染症における症状を訴えている人はいないという。全員が部屋及び自宅に待機中で、今後PCR検査を受けるかどうかについては、保健所の指導のもと適切に対処していく方針。芝田山広報部長は「私自身の主観ですが、本当に感染症は人ごとではない。身近に存在してると痛感しています」と話した。

1週間前の3日に行われた臨時理事会で、大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)の2週間延期が決定した。八角理事長(元横綱北勝海)は当時、今後も日程などの変更がある可能性は十分にあると明言していた。日程などは未定だが、再び臨時理事会が行われるのは必至で、芝田山広報部長は「こういう状況も踏まえてどういう話になるか分からない。世の中の状況も緊迫した状況。どういう方向性に持っていくのか会議で決めたい」と言及した。