<大相撲7月場所>◇初日◇19日◇東京・両国国技館
4カ月ぶりに再開した本場所を、観客という立場で見届けた。「チケット大相撲」でマス席の入場券を購入。感染予防を徹底する現場の雰囲気を感じてきた。
普段より5時間遅い午後1時開場に合わせて、列の最後尾に並んだ。フェースシールドを着用した誘導員に1メートルの間隔を指示されながら、並ぶこと約20分。まずは手をアルコール消毒し、サーモグラフィーでの検温を終えると、入場券もぎり後再度、額に非接触の検温。机に並べてある取組表などを自ら取って、入場完了となる。今場所は木戸番を務める親方衆が不在。往年の名力士と触れ合う機会がないのは、寂しい限り。
早速腹ごしらえを…と思い売店をのぞいたが、飲食物は限られていた。人気の横綱、大関の力士弁当はなく、名物の焼き鳥10本(1400円)くらい。その焼き鳥と、今場所から発売されたというアルコール入りウエットシート(20円)を購入した。決済手段は現金のほかに15種類ほど。店員によると電子決済は1月の初場所から導入されたという。協会も非接触の電子決済を推奨しているため、クレジットカードを使用した。
4人用マス席には、座布団が1枚ぽつんと置いてあった。隣の観客との距離は1メートルほど。到着すると「お食事は可能な限り控えていただき…」というアナウンスがあった。申し訳ございません。罪悪感を覚えながら急いで焼き鳥を完食。マスクを着用していない観客は、見渡す限りいない。
取組では観客がマスクを外して大声を出すなどの場面はなかった。人気の炎鵬でさえ声援ではなく温かい拍手のみだったが、敗れると黄色い悲鳴が。横綱鶴竜が金星を配給しても、座布団は飛ばなかった。
この日最も見応えのあった場面の1つが、横綱土俵入りだった。普段なら「よいしょ」の掛け声が飛ぶが、代わりに四股を踏むたびに拍手。大相撲の再開を歓迎するような、大きな拍手だった。
打ち出し後の退場誘導は2階の観客が1階の観客に3分遅れて退場するというもので、複雑ではない。1階マス席の記者もよどみなく退場した。
館内はほとんどの扉が開放され、換気は十分だった。アルコール消毒液もいたるところにある。でき得る限りの感染対策を施している印象。あとは無事に15日間乗り切ることを祈るしかない。【佐藤礼征】
▼7月場所の開催方式
・1日当たりの総観客数を約2500人と縮小(通常は約1万1000人)
・すべての4人マス席を1名ずつで利用(料金は1人分)
・イス席は横に3席空け、前後は互い違いにする
・タマリ席(維持員席含む)はなし
・通路側のマスは不使用
・接触を伴うファンサービスを中止
・アルコール類の販売中止。食事の販売も最小限
・観戦後は時間差退場
・初日前日の土俵祭りは無観客開催。力士の参加もなし
・密になる可能性がある関連イベントは中止
・開場時間を13時に変更
▼観客への観戦予防策
・マスク着用、入場時の手指消毒を義務付け
・声援自粛、拍手推奨
・入場時に検温し、37・5度以上の場合は入場を断る
・もぎりでの取組表と消毒液は、入場客自身が取る
・全員にミニ消毒液を配布
・飲酒禁止
・感染者が発生した場合に備え、入場券半券の14日間保管や接触確認アプリへの登録を促進
▼協会員への主な観戦予防策
・支度部屋でもマスクを着用。準備運動時も
・支度部屋ではアクリル板で各関取の間を仕切る
・支度部屋での滞在時間を短くするため髪結いは部屋で極力行う
・花道奥では足元シールを貼り密集を避ける
・取組を行う力士は支度部屋を出たらマスクを外し、取組後は支度部屋に入る際に新しいマスクをつける
・相撲教習所を十両の支度部屋とし、幕内、十両、付け人による密集を防ぐ