照ノ富士、相手を研究する余裕出た/大ちゃん大分析

遠藤(右)を送り出しで破る照ノ富士(撮影・滝沢徹郎)

<大相撲秋場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館

幕内に返り咲いた先場所は無我夢中だったろうが、今場所の照ノ富士は相手を研究して相撲を取れる余裕が出てきた。

もちろん大関経験者だから、そのあたりの感覚は備わっていて当然だが、この日も遠藤得意の右の差し手を、引っかけるようにして封じた。懐も深いから、差しに来る相手にも朝乃山戦のように上手もうまく取れる。遠藤に大きい相手も突き放せるぐらいの馬力があればいいが、うまさだけでは通用しない。自分十分の形を作ることも大事だが、相手十分の形を作らせないことも大事。そうでないと、せっかくのうまさも宝の持ち腐れだ。

役力士との対戦を終えた2敗の照ノ富士だが、問題はここから。膝に不安を抱えるだけに、大型で馬力があって一辺倒に出てくるような北勝富士、玉鷲、高安といった相手に同じような相撲が取れるかだ。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)