元琴奨菊の秀ノ山親方「あの時の相撲を」一問一答2

16年初場所を制し八角理事長から賜杯受ける琴奨菊

大相撲で引退した元大関琴奨菊の秀ノ山親方(36=佐渡ケ嶽)が15日、オンライン会見に臨み、引退を決意した理由や今の心境を明かした。

秀ノ山親方は、現在開催中の大相撲11月場所で15年ぶりに十両に陥落。幕内返り咲きを狙ったが6日目終了時点で1勝5敗と振るわず、7日目の14日に休場届を提出し、引退の意向を固めた。

主な、一問一答は以下の通り。

-地元への思いは

秀ノ山親方 地元があって本当に温かいと思う。苦しい時期に笑顔で支えてくれて。そこに恩返しできるのは土俵の上しかないと思った。1つでも白星をあげて喜んでいただけるような結果を残したかったです。

-親方としてこれからどんな力士を育てたいか

秀ノ山親方 力士は番付社会ですけど、どんな時も壁にぶつかり、壁の先を知らずに苦しむ子がたくさんいる。その先の光景を見せられるような指導をしていきたいと思います。

-がぶり寄りへの思いは

秀ノ山親方 昔は若さゆえに何も考えずに、気持ち1つでその体勢になれた。年齢を重ねて体調を整えるようになって、そこも自分への追究になった。あの時の相撲を、もう1度したかったというのが本音です。

-優勝した時の思いは

秀ノ山親方 本当にすごいことをしたなと思います。部屋に賜杯を持ち帰れたことは、胸を出してくれた兄弟子とか親方衆、師匠に本当に気持ちを伝えられたかなと思います。

-あらためて数々の記録を振り返って

秀ノ山親方 大相撲の歴史の中でつくれたのは誇りに思います。

-横綱昇進への思いは

秀ノ山親方 横綱になりたくて相撲界に入門した。そこを目指したけど力及ばずで悔しいけど、その分違う方向性で相撲を追究できたのは今後に生きることだと思います。

-1つの理想を求めて追い込んだと思う

秀ノ山親方 やれることは全てやったなという気持ちです。自分がしっかりしとけば、どんなことでも1つの道につながっていくなと感じた。そこで方向性も、可能性も見たのでそこにチャレンジできたことはうれしいです。

-ご両親にはいつ引退の報告をしたのか

秀ノ山親方 引退の報告も一番最後。自分が納得するまでやれと昔から言っていたので、お疲れさんの言葉で「楽しませてもらったよと」言われた時には頑張ってよかったなと思いました。

-今、もう1度土俵に上がるとするなら誰と対戦したいか

秀ノ山親方 それは横綱稀勢の里関ですね。

-親交のあるプロ野球の内川選手にはどう報告して、どういう言葉をもらったか

秀ノ山親方 引退すると言った時に、「その日が来たか」と言ってもらった。場所前にも大事な言葉を言ってもらって、土俵は違うけどお互いが結果を出して喜んでもらおうとした。「ケガしても土俵に立っている姿は選手として感じるものがありました」と言ってもらえたことがよかったです。

-親方にとってのは相撲とは

秀ノ山親方 日常の考え方とかが全て土俵の上に現れたのかなと。奥が深く、まだまだその中で勉強したいです。

-これまでに引退がよぎったことはなかったか

秀ノ山親方 幕内から十両に落ちた時に、周りが思うほど、自分はいろんな可能性を感じていた。落ち込むことはなかったけど、自分の相撲が取れないと気づいた時は引退しようと思っていたので決意しました。