照ノ富士「今、相撲大好きです」/一問一答

大関昇進伝達式を終えて会見する照ノ富士(左)と伊勢ケ浜親方(代表撮影)

日本相撲協会は3月31日、東京都墨田区の両国国技館で大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、東関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の大関再昇進を決めた。

照ノ富士は春場所、12勝3敗で3度目の幕内優勝を果たした。三役で直近3場所の合計を36勝とし、目安とされる33勝を上回った。

現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降、魁傑の所要7場所よりも時間をかけて、17年秋場所以来21場所ぶりの返り咲きとなった。両膝のけがや内臓疾患などで序二段まで番付を下げながらはい上がってきた、史上最大のカムバック劇を成し遂げた。

同じ伊勢ケ浜一門の高島理事(元関脇高望山)と浅香山審判委員(元大関魁皇)が使者として、江東区の伊勢ケ浜部屋で大関昇進の伝達式が行われた。照ノ富士は「謹んでお受けいたします。本日は誠にありがとうございました」とシンプルな口上。その後、会見に臨んだ。

◇一問一答

-心境は

照ノ富士 あらためて元の位置に戻った実感を感じています。(前回は)思い出すというか、また違う形でうれしく思います。前は本当にそのまま素直に思っていたが、今はたどり着いた。ホッとしている。

-緊張したか

照ノ富士 特に緊張したわけではない。

-口上は

照ノ富士 2回目ですから。気持ちは変わってないし、素直にありがたい気持ちで。

-前回は心技体の充実に努め

照ノ富士 前回と気持ちは変わらない。やるからには上を目指したいので。自分の考えもあって親方とおかみさんに相談して決めました。よかったと思います。

-大関の像は

照ノ富士 素直に自分らしく前向きに頑張っていきたい。

-(師匠の伊勢ケ浜親方に)

伊勢ケ浜親方 本人は長く苦しんできた。努力した成果だと思う。本人が頑張ったからこその成果。

-何度も辞めたいと

伊勢ケ浜親方 本人が頑張れば、どこまでいけるか。病気が治れば前向きになれる。治ってよかったと思う。(戻れるのは)幕下で勝ってから。そのあたりから関取に戻れる、幕内で勝てる。段階をへてですよね。

-今場所の活躍は

伊勢ケ浜親方 立派だと思います。ギリギリじゃない。優勝してしっかり形を残して、立派じゃないですか。内臓もだいぶよくなった。元気出てきましたから。

-横綱へも

伊勢ケ浜 膝という爆弾抱えている。留意していけばまだまだいけると思っている。

-相撲で変化は

伊勢ケ浜親方 強引な投げ、そっくり返ったりはなくなってきている。部屋というより、相撲界全体であきらめないでいけば成し遂げられる。いい影響を与えられたと思う。

-(照ノ富士に)幕下からと師匠が

照ノ富士 朝から晩まで考えてきた。こういう結果が出てよかったと思う。よくなった時も思うように体が動かない時も。どう過ごすか考えた1日もあった。

-いつから戻れる?

照ノ富士 やるからにはずっと上を目指したい思っている。序二段にいるときはまさかこんな結果が出るとは思わなかった。

-春場所で重圧は

照ノ富士 特には。この一番で自分の力を出せるかしか考えていなかった。優勝につながったのはよかった。

-奥さんに

照ノ富士 苦しい思いさせてきたんで。これからいい姿を見せて、幸せにさせたいと思っている。

-モンゴルの家族も

照ノ富士 まわりの人も喜んでくれた。それが何よりです。

-師匠に

照ノ富士 あのとき、やめたいと言った気持ちを覆してくれたのは師匠なんで。こういう形で元の位置に戻ったこと、すべて親方のおかげと思っています。

-決意は

照ノ富士 やる限り、経験したことないこともあるだろうし、1回でも経験してみたい思いもある。稽古して上を目指していきたい。

-理想の相撲、課題は

照ノ富士 復帰してからひとつのことしかできない自分なんで。右四つで前に出る相撲、もっともっと磨いていきたい。

-大関の初優勝も

照ノ富士 ま、そうですね。できるものならやってみたい。それこそ1日の積み重ねと思うんで、頑張りたいと思います。

-思い出せるのは

照ノ富士 ずっと身近で支えてくれた師匠、おかみさん、家族、後援会のみなさんに戻った自分を見せることは少しでも恩返しできたかなと思います。

-カムバックの要因は

照ノ富士 やってるうちに相撲が好きになる自分がいる。今、相撲大好きです。