大相撲秋場所(12日初日、東京・両国国技館)まで残り4日となった8日、小結高安(31=田子ノ浦)が朝稽古後に、報道陣の電話取材に応じた。
先月23日から4日間の日程で行われた合同稽古では、関取衆との稽古で積極的に汗を流した。ただ、名古屋場所前を最後に、長年、兄弟子として、そして部屋付き親方として胸を出してくれた荒磯親方(元横綱稀勢の里)が部屋を離れたとあり、合同稽古後は部屋で若い衆に胸を出す稽古に終始している。この日も「基礎運動に努めました。(合同稽古後も)基本的には、しっかり基礎運動で汗をかいて、重りを持ったり、いろいろな運動をして汗をかいてから若い衆に胸を出し、工夫しながら稽古していた」と試行錯誤の日々。それでも、若い衆に攻めさせて後ろにつかせ、不利な体勢で残す稽古をするなど「いろいろな形で稽古して、とても体の状態も良く、稽古内容も良くどんどん状態が上がっている。今は工夫して追い込んで頑張るだけ」と限られた範囲内で最善を尽くしている。不利な体勢での稽古は、先代の入門時の師匠だった鳴戸親方(元横綱隆の里)の教えが生かされているという。コロナ禍で出稽古は出来ないが、それも出稽古を積極的にさせなかった亡き師匠の方針を経験しているから、苦にはしない。
合同稽古に参加した小結逸ノ城(28=湊)が新型コロナの感染が判明したことで、数日間、自宅待機を余儀なくされた。それでも自宅で、出来る範囲のトレーニングはしていた。「腹筋でも背筋でも体を動かしていたので、体が鈍ったということはない」と言う。
成績次第で大関復帰の可能性もあった7月の名古屋場所は、直前の稽古で腰を痛め3日目から出場したものの、7勝6敗2休で負け越してしまった。当時を「場所前はとても調子が良く140%ぐらいの力で連日、荒磯親方と稽古していた。今思えば、やりすぎかなと。若い頃のようにやりすぎて腰を痛めてしまった」と振り返り、その反省を生かすべく「今場所前は体としっかり相談しながら、焦らず出来ている感じがする。場所の15日間、痛いところがなくベストなコンディションで取るのがベストだから」と話した。
大関復帰は振り出しに戻されたが、再びはい上がる気力は十分にある。その足掛かりとしたい秋場所に向けて「千秋楽まで優勝争いに加わって、場所を盛り上げたい。今、世の中は大変な状況が続いていますけど、力士の一人として少しでも元気が出るような相撲を取りたいです」と言葉に力を込めた。