<大相撲春場所>◇12日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪
東前頭7枚目高安(32=田子ノ浦)が、新大関の御嶽海を寄り切りで下して首位タイを守った。前日の11日目に初日からの連勝が止まったが、引きずることなく連敗は阻止。先に1敗を守った新関脇の若隆景に並走した。若隆景との直接対決では敗れたため、残り3日は負けられない。かど番の大関正代が脱出に王手をかけた。
新大関を破り、高安が首位タイをがっちりと守った。真っすぐ力強くぶつかった立ち合いで、すぐに左上手を取った。右を差して体勢有利になると、焦らずにじっくりと攻めた。御嶽海に抵抗を許さず、体勢を整えてじりじりと寄り切った。「いいところのまわしが取れた。落ち着いて、冷静に取れました」と余裕があった。
前日11日目に、若隆景に負けて初日からの連勝が10で止まった。ここから調子を落とすことも珍しくないが今場所は違った。「せっぱ詰まってやってもいい結果は出ない。メリハリをつけて取り組めています」。今場所こそ番付は平幕中位だが、大関経験者ならではの精神的余裕を見せた。
兄弟子からのエールも背中を押してくれた。昨年8月に田子ノ浦部屋から独立した二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が、11日目の夜に自身の部屋のツイッターを更新。「私が初優勝した際、九日目に琴奨菊に完敗しました。その一番で私は目覚めました。あの一番がなければ、あの時の優勝はなかったかもしれません。高安あと四日!」とつづった。同親方が17年初場所で初優勝した当時の自分を、今の高安に重ねた。その思いが届いたかのように、高安が白星を挙げた。
思えば、昨年春場所も12日目まで優勝争いで単独トップだった。しかし、13日目からまさかの3連敗で悲願成就とはならず。「その時の経験を踏まえて、今までも優勝争いを何場所もやってきた。気楽にやるというのが一番精神面でもいい」と何度も味わった苦い経験を糧に土俵に上がっている。初優勝に向けて、負けられない3日が続く。【佐々木隆史】
◆兄弟子稀勢の里の初優勝 稀勢の里が初めて賜杯を抱いたのは、大関在位31場所目の17年初場所。勝ちっ放しで迎えた9日目に大関琴奨菊に敗れたが、立て直して14日目の逸ノ城戦で優勝が決まった。初土俵から89場所目での初優勝は史上4番目、新入幕から所要73場所目は史上2番目の遅さ。千秋楽は横綱白鵬に勝って14勝1敗。場所後には横綱昇進が決まった。