<大相撲夏場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館
今場所前に、部屋での暴力被害を訴えていた西三段目90枚目の安西(21=陸奥)が3敗目を喫し、勝ち越しに後がなくなった。立ち合いから欧翔山に一方的に押し出され、2勝3敗となった。「最悪です。(仕切りで)先に手をついていきたかったけど(相手に先に)つかれて、動揺して何もできなかった」と、表情を曇らせた。
実名で暴力被害を訴えたことで、支度部屋では同じ時津風一門以外の力士からも「大丈夫か?」と心配されたり「お前のやったことは間違っていない」と、励まされたりしているという。「場所前は笑われるかと思っていた」と、多くの声に勇気づけられたと感謝した。
1月に、師匠の陸奥親方(元大関霧島)に暴力被害を訴えながら、3カ月以上、なかなか公にならなかった。そのことに対して当初は抱いていた師匠とのわだかまりも「特にないです」と話し「気持ちは晴れたかなと思います」と続けた。
暴力被害を訴えたことで、今場所はこれまで以上に、成績を残したい思いが強い。土俵をおろそかにしていると思われたくないからだ。その中で、勝ち越しには残り2番、連勝するしかなくなった。「負けられないので、精いっぱい、最後まで思い切り取りたい」。目と言葉に力を込めて話していた。