ウクライナ出身の幕下獅司6勝目、来場所の新十両昇進濃厚に「おめでとうと」故郷両親と電話

獅司(左)は上手投げで時疾風を破る(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

ウクライナ出身の西幕下2枚目・獅司(26=雷)が十両の時疾風を上手投げで破り、6勝目をあげた。すでに来場所の新十両昇進を濃厚にしていたが、より確実にする白星となった。

「前に出てどんどん突っ張った。我慢して引かないようにいった」と相撲を振り返る。ロシアの侵略で戦禍にある故郷にいる両親とは電話で連絡を取り合っているという。「相撲は見てくれている。(関取昇進に)『おめでとう』と言ってくれた」。厳しい生活環境にある中、朗報を届けることができて喜んだ。

日本語はまだたどたどしい。名古屋場所の番付編成会議が行われる31日に十両昇進が正式に決まり、会見も行われる予定。「相撲じゃなくて、一番大変です」と笑顔を見せた。