琴ノ若、初優勝&大関昇進を近づける値千金の白星「やさしかった」埼玉栄高先輩の貴景勝を撃破

大相撲九州場所11日目 支度部屋での琴ノ若(撮影・代表撮影)

<大相撲九州場所>◇11日目◇22日◇福岡国際センター

関脇琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が、初優勝&大関昇進を近づける値千金の白星を挙げた。今場所2戦目の大関戦で貴景勝を送り出し。埼玉栄高の1学年先輩でもある貴景勝の横綱昇進の夢を断ち切ると同時に、優勝争いのトップを守った。今年は新三役の初場所から全6場所で勝ち越し。安定感に加え、大関戦3連勝、さらに初優勝が加われば大関昇進の機運は急上昇。12日目はトップで並ぶ霧島を相手に3大関撃破に挑む。

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思い出は封印した。琴ノ若は立ち合いで貴景勝を組み止めた時点で、勝利に近づいていた。突進を止めると「体が反応した」と冷静に左でいなし、横向きになった相手を左から上手出し投げ。背後を取ると、あとは楽々と送り出すだけだった。当たりの強い相手を正面から受け止め、何もさせず。横綱昇進の懸かる相手の夢を断ち切る完勝に「そこは自信にしていきたい」と胸を張った。

埼玉栄高の1学年先輩は「やさしかった。まあ後輩の立場だと、それしか言えないでしょ(笑い)」と、冗談めかして言えるほど仲は良かった。初めて巡業に出て、支度部屋のどこにいればいいのか、右も左も分からなかった時も、先輩の貴景勝はそばにおいて面倒を見てくれた。琴ノ若は祖父は故人の元横綱琴桜、父は元関脇琴ノ若というサラブレッド。他の関取衆には「プリンスだから」と、敬遠されそうな血筋の良さを逆にいじり、周囲の輪に自然と溶け込ませていた。

ただ、この日の取組を前に「土俵に上がったら先輩後輩は関係ない。そんなことで感情が左右されていたら相撲がバラバラになる」と、決意を口にしていた。10代のころとは違う。今月19日に誕生日を迎えた琴ノ若は「上を目指していかないといけない」と、祖父が大関になったのと同じ、26歳の決意を語っていた。

3大関撃破に王手をかけた。さらに優勝の可能性も十分。どちらも達成すれば1年間の安定感も加味され、大関昇進ムードは一気に高まる。「評価は終わってから。体は動いている。それを信じて最後までやりきる」。2つの大願成就は近づいている。【高田文太】

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