<大相撲初場所>◇7日目◇20日◇東京・両国国技館
序盤で連勝しても驚くことはない、と朝乃山の評論は控えていましたが、中日を前にただ1人の全勝ですから取り上げたいと思います。実力者の明生に危なげない相撲でした。差し手争いで右をこじ入れると、半歩ずつ前に出ながら力強く前に歩を進めました。反撃のスキも与えない万全の寄りです。特に良かったのが腰の使い方、前に寄せて出る時の低さです。今場所好調の要因は、この腰の安定感だと思います。
ただ一方で、これだけ腰を落として前に出ていると後半戦は大丈夫かな、と心配も少しあります。疲れてくると力が入らなくなりがちで、前半戦のような腰をドッシリ落としての力強い相撲が取れるのか、スタミナ面が鍵を握りそうです。体力を消耗すると雑な相撲を取りがちで、それがケガにもつながりかねません。それは絶対に防がないといけない。そのあたりは、優勝もしたし大関も務めていたという経験が生きるのではないでしょうか。出場停止やケガで、なかなか三役に戻れないけど、その焦りを一気に取り戻せるのが優勝でしょう。10連勝ぐらいしたら意識して、いい意味で自分にプレッシャーをかけた方がプラスになると思います。本来なら今ごろは綱を張っていてもおかしくないのが朝乃山です。本人にとって自信回復の優勝となれば、北陸の人たちも喜ぶと思います。(日刊スポーツ評論家)